たまには感想を

最近読んだ中から、新しめの作品についての感想を。


殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)

殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)

8ポイント。これはいい!
いつも通りにユーモアに溢れた展開で、ストーリーの楽しさは保障付き。さらに、今回はトリックがすごい。新本格初期の頃はともかく、最近の作品で純粋にトリックで驚ける作品って貴重ですね。
東川篤哉、自分の中ではブレイクしてます。


オレンジの季節

オレンジの季節

3ポイント。帯にある通り、鯨統一郎が家族小説を書きました。プロポーズのくだりとか、食卓のくだりとか、読んでいて思わず恥ずかしくなってしまうほど、ストレートな恋愛模様、家族模様が描かれているわけです。そして、それなりにストーリーも面白いため、お手軽にサクサクと読み進められるのです・・・
が、やはり鯨統一郎、とんでもないことをしてくれています。3ポイントを付けていますが、衝撃度は10ポイントなのでした。こういうのを真の問題作と言うんでしょう。(ちなみに、最後の方で実は某作品とつながっていたということが分かります。まあこれはどうでもいいことか。)


εに誓って (講談社ノベルス)

εに誓って (講談社ノベルス)

6ポイント。うーん、微妙。
舞台がバスジャックのため、スリリングな展開(とは言っても森博嗣なので、パニック状態にはなりません)のため、サクサクと読み進められたのは良かったけれど。
それにしてもGシリーズ。この物足りなさは何なんだろう。他シリーズやΦ〜τまでとの関連性が表面化しつつあることに、今後は期待をつないでいくしかないのか。でもね。τはまだうっすらと覚えてるけど、Φやθはほとんど忘れてしまってるんですよ・・・


KAIKETSU!赤頭巾侍

KAIKETSU!赤頭巾侍

5ポイント。鯨統一郎お得意?の同じパターンを繰り返す連作短編集。でも今回はあんまり面白くなかったかな。3話目くらいで、早くも飽きが来てました。最後にちょっとした驚きは待ち構えているけれど、そこにたどり着くまでにもう一工夫欲しかった。
ところで、帯に書かれた内容と作品の内容にズレがあるように感じたのは私だけでしょうか・・・?


町長選挙

町長選挙

7ポイント。伊良部のはじけっぷりは相変わらずだけれども、作品全体を通してやや勢いダウン。今回の患者は今までよりもメジャーな立場の人が多く、伊良部よりも彼らの方がインパクトあったので、それが原因のひとつかも。思いっきり、ナベツネホリエモンなのが笑えた。


陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

6ポイント。こちらも前作に比べて、やや勢いダウン。まあ普通に面白いのは間違いないんだけど、前作の爽快な読後感は最高だったからなあ。
4人のギャングの内、久遠の技は発揮されてたけど、他3人の発揮具合が控えめだったことも残念。響野の演説をもっと聞きたかった。
なんか文句ばっかり書いているように見えるかもしれませんが、私の期待度の高さゆえと思ってください。