本格ミステリ大賞決定

第7回は『シャドウ』に決定。うん、納得。

今回は『邪魅の雫』は読めなかったけど、他4作は読んでました。なんとか発表に間に合わせるために、『時を巡る肖像』を読み終わったのは発表前日。ギリギリ間に合った。

4作の中では私も『シャドウ』でした。
まず、『樹霊』と『時を巡る肖像』は普通にそこそこ面白いけど、これが本格ミステリ大賞か?と言われるとちょっとねぇ。候補作に選ばれたのも疑問だし。となると、『シャドウ』か『顔のない敵』か。石持浅海大ファンの私ですが、ここは断然『シャドウ』。『顔のない敵』は、どれもスマートな本格で作品集としての統一感もあり、人気が高いのは分かるけれど、本格ミステリ大賞としては控えめな作品だなと。
私の勝手な思いですが、この賞はやはり、賞につられて初めて本格を読んだ人に「本格ってすごいな!」と思わせることのできるパワーを持った作品が相応しいと思うんですよ。そういう意味でも、本格ならではの衝撃やカタルシスが得られる作品でないと。というわけで、『邪魅』以外の4作だったら『シャドウ』なんです。

ただし、あくまで「今回の4作の中だったら」という前提の上でのこと。だって今年のラインナップは、例年に比べると明らかに弱いですからねぇ。特に去年なんて『容疑者Xの献身』『摩天楼の怪人』『扉は閉ざされたまま』という最強の3作があったわけで、『シャドウ』がこの3作を超えているとは思えないし。

まあそれはともかくとして、今回もいろいろと楽しませてもらいました。本格ミステリ大賞に感謝。