5作読了ということで
- 作者: 柄刀一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
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これで、第8回本格ミステリ大賞の候補作5作をすべて読み終わったことに。
さて。
当初は『女王国』と『首無』の2強かなと思ってたけど、まさか『キングダム』がここまで凄かったとはね。まさに本格ミステリ大賞の名にふさわしい作品だと思う。他の候補作とは、読んでいて感じられるパワーが圧倒的に違いました。柄刀一の評価は低めだった私だけど、これを読んだらもうそんなことは言ってられない。恐るべし、柄刀一。
というわけで、私の順位は以下。
- 1位 『密室キングダム』
- 2位 『女王国の城』
- 3位 『首無の如き祟るもの』
- 4位 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
- 5位 『インシテミル』
1位はこれしかない。2位と3位、4位と5位は、それぞれちょっと迷うところ。
『女王国』のロジックの美しさと『首無』の驚愕度を比べると、『女王国』に軍配が上がるか。江神シリーズへの思い入れの強さも勝利の要因の一つ。『首無』も全然悪くはないんですけどね。『キングダム』と『女王国』の2作と比べるとやや小粒に見えてしまうんですよね。
短編集はこの賞に向いていないと言い続けてるけど、『密室殺人ゲーム』のような連作ものだったら許容範囲。『密室殺人ゲーム』も『インシテミル』もどちらも、今っぽいノリのミステリをうまく本格アレンジしているのが評価ポイント。リーダビリティーは『インシテミル』の方が優れてるけど、より「新しいことをやってる」と感じられたのが『密室殺人ゲーム』だったから4位はこちら。どちらも、3位までの3作とははっきり線引きされてしまうのは仕方ないか。
自分の感想はさておき、私の大賞予想はあくまで『女王国』。さてさて、実際の結果やいかに。