感想ポイントを分析してみる(その1)
ものすごい個人的かつディープな分析をしてみます。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私ひいろは、2001年10月に感想サイトを開設して、2002年の読了本から、「感想ポイント」というものを付け始めました。
評価の基準は以下の通りで全10ポイント。一応、同じ基準で6年ちょっと評価してきたつもり。
<評価基準>
- 10ポイント --> 運命を変える一冊
- 9ポイント --> 最強
- 8ポイント --> すごく面白い
- 7ポイント --> 面白い
- 6ポイント --> なかなか良い
- 5ポイント --> まあまあ
- 4ポイント --> 微妙
- 3ポイント --> ひどい
- 2ポイント --> ひどすぎ
- 1ポイント --> ノーコメント
ここで、改めて分析をしてみようと思う。
感想ポイントを付け始めてから今までに読んだ作品数を数えてみると570作品。これらについて、ポイント別の作品数とその割合を出してみました。
<集計結果>
- 9ポイント --> 23作 (4.0%)
- 8ポイント --> 88作 (15.4%)
- 7ポイント --> 190作 (33.3%)
- 6ポイント --> 172作 (30.2%)
- 5ポイント --> 71作 (12.5%)
- 4ポイント --> 16作 (2.8%)
- 3ポイント --> 9作 (1.6%)
- 2ポイント --> 1作 (0.2%)
1ポイントと10ポイントは該当作なし(ポイント制の開始前に読んだから対象外だけど、『十角館』みたいな作品が10ポイントなのです)。6ポイントが圧倒的に多いだろうと思っていたら、意外や意外、7ポイントの勝ちでした。3ポイント以下は10冊もあったのですね。あえてここには記すまい。知りたい方は読了本リストのページで探してみて。私の大好きな(はずの)鯨統一郎が2冊入ってますよ(笑)。9ポイントの23冊は別の機会に紹介することにしましょう。
このことから分かったこと。
つまり私は、6ポイント以上をつけた割合、すなわち82.9%の作品を「読んで良かった」と判断してるってこと。これはなかなか幸せな数値なのでは。しかも、19.4%は「すごく面白い」と思ったわけだし。
ミステリを趣味にしてて良かった!と思えた結果となりました。めでたしめでたし?
今回はここまで。
せっかく集計してみたので、もうちょっと別の角度からの分析を続けてみようと思います。では次回。
芦辺拓 『裁判員法廷』 7point
- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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という帯につられてついつい買ってしまいました。
で、感想はと言うと。
ミステリとしては、森江春策シリーズでもあり、なかなかの高レベルではないでしょうか。1篇ずつの切れ味が鋭く、特に最後の1篇がよかった。
私が興味をひかれた裁判員制度を取り扱ったミステリーとしては・・・うーん、ちと微妙。なんというか、もうちょっと裁判員制度について「へぇ」と思わせてほしかったな。私でも知ってるレベルのことしか書かれていなかったのが残念。
5作読了ということで
- 作者: 柄刀一
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これで、第8回本格ミステリ大賞の候補作5作をすべて読み終わったことに。
さて。
当初は『女王国』と『首無』の2強かなと思ってたけど、まさか『キングダム』がここまで凄かったとはね。まさに本格ミステリ大賞の名にふさわしい作品だと思う。他の候補作とは、読んでいて感じられるパワーが圧倒的に違いました。柄刀一の評価は低めだった私だけど、これを読んだらもうそんなことは言ってられない。恐るべし、柄刀一。
というわけで、私の順位は以下。
- 1位 『密室キングダム』
- 2位 『女王国の城』
- 3位 『首無の如き祟るもの』
- 4位 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
- 5位 『インシテミル』
1位はこれしかない。2位と3位、4位と5位は、それぞれちょっと迷うところ。
『女王国』のロジックの美しさと『首無』の驚愕度を比べると、『女王国』に軍配が上がるか。江神シリーズへの思い入れの強さも勝利の要因の一つ。『首無』も全然悪くはないんですけどね。『キングダム』と『女王国』の2作と比べるとやや小粒に見えてしまうんですよね。
短編集はこの賞に向いていないと言い続けてるけど、『密室殺人ゲーム』のような連作ものだったら許容範囲。『密室殺人ゲーム』も『インシテミル』もどちらも、今っぽいノリのミステリをうまく本格アレンジしているのが評価ポイント。リーダビリティーは『インシテミル』の方が優れてるけど、より「新しいことをやってる」と感じられたのが『密室殺人ゲーム』だったから4位はこちら。どちらも、3位までの3作とははっきり線引きされてしまうのは仕方ないか。
自分の感想はさておき、私の大賞予想はあくまで『女王国』。さてさて、実際の結果やいかに。
ミステリで泣いてみたい
遅ればせながら、録画していた『熱血教師SP 夢の見つけ方教えたる』を見る。
ここ数年、連ドラや単発ドラマを全く見ていない私ですが、浜ちゃん主演とあっては見ないわけにはいきますまい。苦手な感動ストーリーだったけど、最後はホロリと来てしまいましたよ。
涙もろくなったなぁと実感。
でも、小説を読んで泣いたことはなかったりします。感動した小説はたくさんあるけど、涙が出るほどのものじゃあない。ミステリ作品で惜しかったのは『異邦の騎士』とか『依存』かなぁ。そのうち、泣けるミステリに出会えるといいな。
ギリシャ神話の謎
- 作者: 法月綸太郎
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ギリシャ神話を題材にしたミステリって、ほんと多いですよね。エピソードを絡めて来たり、タイトルや名前をギリシャ神話から取っていたり。綾辻行人や麻耶雄嵩や笠井潔、他にぱっとは思いつかないけど多数いるはず(特に、新本格初期の作家に多いと思う)。私自身、今まで数十冊は読んできた気がします。
が、実は私、ギリシャ神話が苦手でして・・・
どんなにミステリ好きな人も、苦手なミステリっていうのがあると思うんです。私の場合、実は初めて言いますが、ギリシャ神話をモチーフとしたミステリがとっても苦手。エピソードが語られるシーンになると、「うわぁ・・・うざいな・・・」と思い、かなり雑な飛ばし読みをしてしまいます(エピソードが数ページに渡る時は、思い切って読まないこともあり)。たぶん、ミステリ的にもかなりもったいない読み方をしてしまってるんでしょう。でも、苦手なものは仕方ない。
自分でもなぜ苦手なのかよく分からないけど、そもそも、ギリシャ神話って全く知らないんです。ゼウスとかポセイドンとかいう名前を聞いたことがあるレベル。知らないから興味はないし、読んでいても面白いとは感じられない。
日本の神話とか昔話をモチーフに使うんだったら、日本人としてまだ分かるんですけどね。ギリシャ神話って、世間一般的にもさほど知られてはいないと思うんですよ(たぶん)。それなのに、なんで日本のミステリ作家はこぞってモチーフに使いたがるんだろうか。星座にも関係してるみたいなので、宇宙的というか神秘的というか、ミステリ的に魅力ある要素が溢れてるんだろうか。うーん、分からない。他にもありそうだけどなぁ。
じゃあ読むなよ!と思われた方、きっといることでしょう。でも、以下の公式により、読まざるを得ないわけで。
というわけで、後編も読みます(笑)